ハマス

 パレスチナ自治評議会選挙で、イスラム過激派のハマスが過半数の議席を確保した。選挙は公正で民主的に実施され、長年中東和平を担って来たファタハが、民衆の支持を全く得られなかった。朝日新聞によれば、ファタハが解放闘争を主導し、中東和平を担った時代が終わった。和平に道筋をつけた1993年のオスロ合意がイスラエルのシャロン首相の軍事強攻策で破綻し、アラファト自治政府議長の死によって、すでに終わった時代だが、パレスチナの民意がその幕を引いた。




 ファタハは40年余りの月日の間に、和平に追われ、ハマスのテロを含めた破壊工作に翻弄され、社会の疲弊を招き、そして汚職にまみれ腐敗して行ったと報道されていた。そして疲れきった民衆の心に、資金の豊かなハマスが支えとなる構図が出来上がっていったという。また中東に目を向けると、宗教組織主導と言う大きな流れがある。アメリカが唱える中東民主化は、反米傾向の強いイスラム界の追い風になっているという。そして、過激派組織が民衆の心を見事につかんだ。
 アメリカや欧米社会、そしてイスラエルは、ハマスが 「イスラエル国家を認めない」 という主張を変えなければ、 「交渉相手として認めない」 という声が出ている。ハマスがこれからどのように世界の中で、政治の当事者として、共存していくのか、その行く末が心配だ。
 私はイスラム教という宗教を知らない。その宗教観、社会観を知らない。目に入ってくるのは、多くの自爆テロを含めたテロ行為、たとえ自国が孤立しようともアメリカに屈しない強い姿勢、女性のベールが象徴する男性優位社会などだ。そしてそれらは非民主主義という衣をまとって、私たちの目の前に現れる。
 選挙は如何に水物かが、この選挙でも現れたように思う。このパレスチナの選挙の結果は、去年の選挙で小泉さんの「郵政」この一点を問うという簡略化されたメッセージ (これはよくヒットラーの戦略だと報道されているが) に多くの日本国民が乗って、自民党が歴史的大勝利したことと同じに見える。自民党の大勝利は、 (実際の得票率ではそれほどの差がないのに、小選挙区制度に選挙区制度を変更した自民党の大勝利) 結局の所、独善をもたらした。私の目には、独裁者・非民主テロ国家と非難し続けているかの国の彼と同じに見えると言ったら言い過ぎだろうか。
 世の中は刻々と変化していく。どんどん変化していく社会情勢の中で、これ以上人の命が犠牲にならないようにと、これ以上弱いものが犠牲にならないようにと願わずにいられない。
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by himang_56 | 2006-01-28 15:13

喜ばしい声が聞こえる


by himang_56